あの空に手を伸ばして
「・・まあまだガキのころは思ってたかもな」
「あはは。そうだよね。わたしはね、本当につい最近まで届くって思ってた」
「・・・」
「でもね、届かないって気づいたの。そのときにね、未来も希望もなくなった気がしたんだ。たった小さな夢だと思ってたの。でもね、そのたった小さな夢さえ叶わないんだって思った」
「うん」
「わたし、そのたった小さな夢のために勉強も運動も頑張ってたの。この道を進んでいけばその夢にたどり着けるっていう自信があった。だからその夢が壊れたとき、わたし今までなにやってたんだろうって。何も意味なかったって。そう思ったら途端に息苦しくなって、自由が欲しくなって、、」
「・・泣くなよ」
「うん、ごめん」
なんで、涙が流れるんだろう。
自分でもわからない。