あの空に手を伸ばして
もうすぐ夏休み
*
「いえーい!俺にも夏がくるぞー!」
あれから5日がたち、再試が行われた結果徹くんも忠くんも合格点をとることができた。
「美咲先生のおかげだぜ、まじ感謝」
「はは、おおげさ」
「でもこれのせいで流星群みにいけなくてまじへこむわ」
どうやら、徹くんは赤点を回避するために勉強しろといわれて外出禁止令がでたらしい。
それでも抜け出してくるつもりだったらしいけど、玄関前にずっと見張りがいたという。
「流星群めっちゃ綺麗にみえたのに」
サクがわたしのために星をとってくれたあと、しばらく無言だったわたしたち。
でも、流星群がみえた途端2人で大はしゃぎして写真を撮りまくったっけ。
携帯の写真フォルダをみると、サクの横顔、サクの笑った顔、サクが必死に流星群を撮ってる顔、流星群よりもそっちのほうが多いんじゃないかって思って恥ずかしくなる。