あの空に手を伸ばして
「夏休みさ、海で花火しようぜ」
「え?」
「流星群みられなかったのもあるけど、それよりも俺に夏休みを与えてくれた美咲ちゃんに恩返ししたいから」
「なんでそれで花火?」
「ん?女の子ってそういうの好きじゃないの?」
「好きだけど・・」
本当に徹くんの思考回路は狭すぎるのか本気でいっているのかわからない。
まあ、たしかに花火は好きだけどそのチョイスなんだって感じ。
「俺も海で花火したい!」
「たのしそー」
でも、忠くんも翠くんもそういったしサクをちらっとみると嫌そうな顔はしていなかった。
「うん!じゃあとびっきり楽しませてよね!」
「まかせとけ。俺のスペシャルをみせちゃうから」
「あはは」
花火でスペシャルっていう意味がわからなくて笑ってしまう。
でも、もうすぐ迎える高校生はじめての夏休みが楽しみになった。