あの空に手を伸ばして
*
「美咲、今度またサクくん連れてきてね」
「・・連れてきてって・・・」
「だって、かっこよかったじゃない。それに真面目そうだし」
流星群をみた帰り、送らなくて大丈夫といったわたしに「いや遅いし送る」といったサク。
「いやいやいや、本当にいいから!」
たしかに夜中にひとりで学校から家までの道のりを歩いたことがないから怖い気持ちもあったけれど、それよりもサクと二人きりというのに耐えられる自信がなくて。
「どっち?」
でもわたしの言葉なんて聞こえていないかのように歩き出すサクに結局わたしが折れて家まで送ってもらったのだ。
そして、夜遅いからお母さんはてっきり寝ているだろうと思ったのに家には明かりがついていて、わたしがカギをあけた瞬間バタバタと音がしてお母さんが顔を出した。
サクはわたしが家に入るまで門の外にいたから、ばっちりお母さんに姿をみられた。