あの空に手を伸ばして


「でも、よかったわ。美咲にああいう人がいて。あの高校にもまともな人いるのね」

でもお母さんがこうやっていうからわたしは素直に頷くことしかできないんだ。

やっぱりどんなにわたしが元気でも心配はたくさんかけちゃってるんだろうと思うから。


「よし、今日はわたしがごはん作るよ」

「あら?ほんと。美咲の料理久々ね」


中学生まではよくお手伝いもしていてそれなりに料理はできた。

これから徐々にお母さんとも前みたいな関係に戻れていけたらいいと思う。


そっと右手を開くとサクがくれた星がみえる。

「大丈夫、美咲なら大丈夫」

サクがそういってくれてるようで安心する。


ああ、サクに会いたくてたまらない。

もうすぐ、徹くん企画の「海でスペシャル花火大会」の日だ。


もちろん花火はすごく楽しみなんだけど、それよりも早くサクに会いたくてたまらなかった。
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