あの空に手を伸ばして
海でスペシャル花火大会




「海だー」

いまは19時。

8月になってだいぶ日が伸びたけれど、それでももう薄暗い。


そんな中で信号機くんたち3人組は海に向かって走っていった。

「ほんと馬鹿だよね」

なんとなく想像はしていたけれど、高校生にもなってこんなにも海ではしゃぐなんて。

でも、ちょっぴりうらやましい気持ちもある。


「美咲もいってくれば」

そんなわたしの心を見透かしたようにサクはいう。

まるで自由を手に入れてこいといっているかのように。


「うん、いってくる!」

わたしははいていたサンダルを脱ぎ捨てて砂浜を走った。

「いえーーーーい!!!」

そんな言葉を発しながら海へと入る。

こんな大声をだしたのは久しぶりかもしれない。

すでに海へと足をつけていた徹くん、忠くん、翠くんはそんなわたしを出迎えてくれた。

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