あの空に手を伸ばして


今日は快晴。

「ふぅー」

うまく吸えなかった空気を吸って吐く。

それなのに、気分は晴れない。


もしかしたら、4人はまたいつもみたいにここにいるんじゃないかって期待した。

もう3週間くらいあっていないけど、もしかしたら「よお」って顔を出すんじゃないかって。

そしたらわたしも笑って「よお」って返せたのに。


携帯につけた星のキーホルダーが風でゆらゆらと揺れた。

これをみると、流星群の日も、海でスペシャル花火大会の日も、サクと一緒にいた日々も全部思い出しちゃうから何度も外そうと思ったけれど、結局外せずにいる。


――「美咲の夢も希望も未来も、なにも消えない」

そういってくれたサクの言葉を信じたいのに、いまのわたしには信じられそうにない。

せっかく4人と出会って少しは変われたと思っていたのに。


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