あの空に手を伸ばして



「ちょっとコンビニいってくる」

「気を付けてね」

特に何か欲しいものがあったわけじゃなかったけれど、外の空気が吸いたくなってわたしは外にでた。

あれからなにかを察したのかお母さんの口からサクという名前がでてくることはなかった。


「いらっしゃいませー」

わたしの気持ちとは裏腹に元気のいい店員の声を聞き流し、適当にまわる。

でも結局ほしいものなんてなくてわたしはそのまま外にでた。



「ねえ、美咲ちゃんだよね」

「はい・・そうですけど。なんですか?」

みると知らない男が立っていて、いつもなら警戒するのに、素直にそう答えてしまうなんて今までなら考えられない。

いつの間にか男たちに囲まれて逃げなきゃと思ったときには口元をふさがれわたしは意識を手放した。
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