あの空に手を伸ばして


――ブーンブーン

そのときだった。

バイク音がすると、閉ざされた大きなシャッターがあいた。


「よお、サク。よかったよきてくれて。美咲ちゃんがさあ、お前の女じゃないっていうからちょっと心配したぜ」

入ってきたのはサク、それに徹くん、忠くん、翠くんもいた。

久しぶりにみた4人の姿。

でも、雰囲気が違う。

殺気を感じるといったらいいのだろうか。


「美咲はなんも関係ねえだろ」

「はあ?サク、まさか過去のこと忘れたわけじゃねえよな?俺がなにしようとしてるのかお前にはわかるだろ?」

「美咲はなにも知らないんだ。殺すなら俺を殺せ」

「はははは。よくいうわ。俺の姉貴だって何も知らずに殺されたんだよ!」

この人のいっていることが理解できない。

過去?姉貴?殺された?

「それは、本当に謝っても許されないことだってわかってる。だから、俺を殺せ」

サクはそういうとこっちに向かってくる。

そのあとを追うように徹くん、忠くん、翠くんも向かってくる。

でもそれを阻むように周りにいた男たちがこぶしを振り上げる。

わたしはみたくなくてとっさに目をつぶった。
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