あの空に手を伸ばして
本当はわかってた。
たまに傷をつけてくることもあったし、喧嘩が強いんだろうってことも。
でも、こうして4人がいざ喧嘩をしているところなんてみたくなかった。
サクがわたしの震える手を握り締めてくれた手で、星をつかんでくれた手で、人を殴るところなんてみたくなかった。
「っ」
首元に痛みを感じた。
目を開けるとそこには包丁が突き付けられていて、血がたらっと流れ落ちた。
「ごめんね美咲ちゃん。サクのせいでこんなことになっちゃって」
「・・わたしが死んだら、サクたちを自由にしてくれる?もうサクたちを苦しめない?」
「ああ、いいね。その強気な目。美咲ちゃんのその思いに免じてそうしてあげるよ。美咲ちゃんが死んだあとは、もうサクたちには手を出さないって約束するよ」
「わかった。じゃあ、殺して」