あの空に手を伸ばして


「美咲、もうあの子たちには関わらないで」

家に帰るとお母さんは強い口調でそういった。

「あんなちゃらそうな人たちと遊んでたなんて」

「ちゃらくないよ」

お母さんに反発したのは、高校入学でもめたとき以来かもしれない。

でも、誤解してほしくない。

見た目だけで、ちゃらそうなんて判断してほしくない。


あんなにも純粋で、優しくて、面白くて、仲間想いで。


「下手したら殺されてたかもしれないのよ!?」

「それでもよかったよ」

――パチン

頬がじんじんする。ああ、ぶたれたんだ。

「そんなこと、嘘でもいわないで」

わたしはお母さんの顔をみたくなくて、そのまま部屋にとじこもった。


叩かれたのははじめて。

でも、叩かれるのもしかたない。
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