あの空に手を伸ばして
小学生の頃、俺は体が小さくてよくいじめにあっていた。
そんな自分が嫌で、強くなりたくて。
まだ中学生だった俺はまだガキで、喧嘩で強ければいいと思っていた。
なんならこの世界で俺が一番強いんじゃないかっていうくらい俺はうぬぼれていた。
「もう来年から高校生なんだからね」
「わかってるよ」
なんだかんだで唯一俺が逆らえなかったのもあずさだったと思う。
将来は先生になって、生徒から頼られる存在になりたいと昔からずっといっていた。
俺はそんなあずさの夢は応援したいと思っていたいし、あずさは勉強もできるし明るいし、絶対先生になれると思っていた。
そんな夢があっけなく崩れ落ちるなんて思ってもみなかった。