あの空に手を伸ばして
*
「姉貴がかえってこない!」
21時をすぎたくらい、たかしからの電話で俺は家をとびだした。
コンビニにいってくるといったきり帰ってこないらしい。
俺はたかしと手分けして探し回った。
そのとき電話がなったので、たかしからだと思いでると
「南倉庫にこい」
知らない男の声がして、電話が切れた。
俺はたかしにも連絡をいれ先にひとりで南倉庫へと向かった。
「よお、はやかったじゃねえかサクくん?」
そこには、俺が前にボコボコにした男が立っていた。
あのときは数人しかいなくて、あっけなく倒れた弱さにイライラが募った記憶がある。
それなのに、今は違う。
倉庫には数えきれないほどの男がいた。