あの空に手を伸ばして


「俺は死んでもいいと思った。それでたかしの気がすむのなら。でも美咲だけは守りたかった。俺のせいでもう誰かが死んでほしくなかったから」

「わたしだって、サクが死ぬくらいなら自分が死んでもよかったよ」

「・・・俺、美咲にはじめてあったとき、あずさに似てるって思ったんだ」

「え?」

「はじめて入学式で挨拶してる美咲をみたとき、あずさに似てると思った。どこか危うげで、儚くて、寂しそうで、でも真っすぐで。そのときは勝手なイメージだったけど、でも美咲と話していくうちにやっぱりそうだって思った」

「・・・」

「そこの一番上あけてみて」


サクは引き出しを指さしてそういった。

あけてみるとそこには日記帳とかかれたノートがあった。


「それ、あずさがつけてた日記」

「・・・よんでいいの?」

わたしが問うとサクは静かに頷いた。

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