あの空に手を伸ばして
嫌な予感
*
「美咲ちゃん、サクの居場所しらない!?」
土曜日の18時。
徹くんからの着信にでたわたしの耳に大きな声が飛び込んできた。
「どうしたの??」
「病院から抜け出したらしいんだ」
その言葉にわたしは上着をもって家を飛び出した。
「美咲どこいくの!」
お母さんの怒ったような声が聞こえたけれどわたしは無視した。
あれから1週間くらいたったけれど、いまだお母さんとは仲直りできていない。
会話をしないことはないけれど、どこかぎくしゃくしていて。
わたしが悪いのはわかっているし、謝ればいいのにそれがどうしてもできなかった。
そしてわたしが向かっているのは南倉庫。
サクはきっとその場所にいる。
まだ腕が完治していないのに外にでたのはきっと・・・。