あの空に手を伸ばして
「サク!!!!」
そのとき飛び込んできた声。
後ろを振り向くと肩で息をしている美咲がいた。
「・・美咲、なんで?」
「ここ、に、いると・・思った、から」
俺はたかしに呼び出されて誰にも何も言わずに病院を抜け出してきた。
それなのに、どうして美咲にはわかってしまったんだろう。
「誰かと思えばサクの女か。ここまでくるとはいい度胸じゃん」
「たかしくん、きいて。あずささんは、あなたのお姉さんは、こんなこと望んでない」
まだつらそうなのに、はっきりとそう言った美咲。
「はあ?あんたに姉貴のなにがわかるんだよ」
美咲はあの手紙を読んだからここにきてくれたんだとわかった。
そして俺が言えなかった言葉をかわりにいってくれた。