あの空に手を伸ばして
あずさの手紙
*
―たかしへ―
この手紙読んでるってことはわたしの日記が読まれちゃったってことだよね。ってことは、わたしもしかしたら死んじゃったのかな。
あのね、最近誰かにつけられてる気配がしてるの。気のせいで終われば、この手紙を読んだとき笑い話になれば、それが一番いいんだけど。
でもなんだろう。女の勘?ってやつ?そんなのここで使うなよって感じだけど、自分もしかしたら死ぬんじゃないかなって思うんだよね。
それでね、たかしにお願いがあるの。
サクのこと、守ってあげて。
サクのまだ口に出来てない、抱えきれないなにかを聞いてあげて。救い出してあげて。いつも楽しそうに笑ってるけど、どこか寂しそうだから。