あの空に手を伸ばして
「この日記みつけたときさ、本当は読むのが怖かった。あずさの本当の気持ちが書かれてるっておもったら怖かった」
「うん」
「でも読んでみたらたかしと俺のことばっかりでさ。自分のこと書けばいいのに。あずさはずっとたかしと俺のこと考えてくれてた」
「うん」
「なのに俺は・・喧嘩にあけくれて、不良がかっこいいなんて思ってて。こうなる未来なんてなにも考えられないただのガキだった」
きっと、サクじゃなくてもそうだと思う。
誰だって自分のことしか考えられない。
「それでも俺変わろうって思った。あずさの叶えられなかった夢を叶えたいって思った。だからさ、中3でもう高校受験は諦めたけど勉強は必死になって。そんなことで償えるわけないってわかってるけど、それでも俺先生になりたいって思ったんだ」
はじめてきいたサクの夢。
わたしなんかよりよっぽどすごい。
立ち止まっていたわたしなんかより遥かにサクは前に進んでいた。