あの空に手を伸ばして
「でも罠だと思った。今思えば俺、たかしくらいしかつるんでたやついなかったからさ。友達なんていらないとも思ってたし。もしかしたら俺の過去を知ってて面白がってるだけなのかもって」
「うん」
「俺さ、冗談のつもりでいったんだ。苗字きいて信号機みたいだし染めればって。そしたらさ、あいつらまじで次の日染めてきて。それでお互い頭指さして笑ってんの。そっからも俺が無視しても話しかけてきて。美咲もわかってると思うけど、あいつらほんと馬鹿なんだよな」
「はは、そうだね」
「でも馬鹿だけどめちゃくちゃいいやつらだった。誰にも心開くわけないって思ってたのに、たった数日であいつらには心を開けたんだ」
はじめてきく信号機くんたちとサクの話。
でもわかる。
あの3人には、徹くん、忠くん、翠くんには、不思議な力があると思う。