あの空に手を伸ばして

「たかしが戻ってきたってきいたときに言ったんだ。もしかしたら危険が及ぶかもしれないからもう距離を置いた方がいいって。そしたらあいつらめっちゃ怒ってさ。俺たちはもうサクの仲間だって」

「仲間、か」

「でもあいつらがいなかったら美咲を助けられなかった。また俺は拘束されて動けないまま美咲が刺されるのをみることになってた」


たしかにあのときサクが1人できてたところであの大人数には勝てなかったと思う。

それにあの3人がサクにいけと背中を押していなかったらわたしは刺されていたと思う。

「あの3人には感謝しきれないほど感謝してるんだ。でもこれ内緒な。あいつら調子のるから」

「ふふ、たしかに。わかった」


いままでサクのことなにも知らなかったけれど、この数時間でだいぶ知ることができた。


それだけでわたしは十分だった。
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