あの空に手を伸ばして


とめないとと思ったけれど、「やらせてあげて。あれが2人にとったら大事なことだと思うから」という聞き覚えのある声がして後ろを振り向くとそこには徹くん、忠くん、翠くんがいた。


「きっとこれがきっかけであの2人は最高の友達に戻れると思うよ」

たしかにサクとたかしくんは殴り合っていてお互い痛そうにみえるのに、その顔はすっきりしている。


「言いたいことは言わないとね。心にとめたままじゃ何も伝わらないし、自分にとってももやもやした気分になっちゃうし」

「・・・ごめん。わたし、帰る!」

「え!?美咲ちゃん!?」


サクとたかしくんの仲直りした姿をみたいという気持ちはあったけれど、それよりもお母さんに会いたくなってしまった。
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