あの空に手を伸ばして
「お父さんはお空にいていつも美咲をみてるから、泣いてたらお父さん悲しむよ。でもどうしてもまた悲しくなったり泣きたくなったらお空に手振ってごらん。お父さんが美咲に気づいてくれるからっていったのよ。
そしたら泣いてたのに、パッと顔をあげて「うん」って頷いたの。その日からかしら。美咲が毎日のように空に手を伸ばすようになったのは」
それはわたしにとって衝撃的な言葉だった。
わたしが空に手を伸ばしていた理由はそれだったんだ。
いままでずっと勘違いしていた。
いつからわたしの記憶の中で塗り替えられていたんだろう。