からふる。~第12話~
「あらあら~お帰り~」


「沼口さんどうしたんですか?お出迎えなんて珍しいですね」


「今日はなんといっても青ちゃんの誕生日だからねえ。準備は出来ているから着替えてさっさと降りてきな。パーティー始めるわよ~」


「わざわざありがとうございます。すぐ行きますので皆を集めて待っていて下さい」


「じゃあ仰せの通りに...。みんな~、誕生日パーティー始めるよ~!」



沼口さん。


こちらも準備オーケーです。


立ち上がり、仕込んでいたクラッカーをポケットから取り出す。


青波先輩が階段を上りきり、曲がるタイミングでクラッカーを鳴らすという演出。


まあ、こんなの全然サプライズなんかじゃないんだけどね。


本当のサプライズは、その先だから。



「パンッ!」


「わっ!」


「さあや驚き過ぎ。おもしれぇ」


「面白くなんてないよ。笑ってないで黙って」



ニタニタと笑う黒羽くん。


それを見て鋭い目付きで睨み付けるしゅうくん。


なんでこの2人こんなにバチバチなんだろう。


しゅうくんが私を好きなのは分かるけど、黒羽くんはそんなんじゃないよ。


私をからかってるだけなんだ。


早めに終息させないとな。



「こら、黒。笑ってるな。凪砂がくるぞ」



赤井先輩に注意され、舌打ちをしたものの、大人しく準備に取りかかる黒羽くん。


私を含めた8人が廊下に整列した状態でスタンバイ。


その先には...。



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