からふる。~第12話~
事態が動いたのは中学2年の時。


凪砂はサーフィンで結果が出なくなった。


いくら波に乗れても転覆してばかりで技どころではなくなっていた。


急激に身長が伸び、体つきが変化したことで感覚が掴めなくなっていたのかもしれない。


周りの同世代の人達が表彰台に上がっている光景を見て凪砂は打ちのめされた。


自暴自棄になり、サーフィンをやめてしまい、次の年からは水泳に専念することにした。


心機一転して努力するのかと思ったらそれは違った。


彼の努力の方向は違うところに向かっていった。


女の子に好かれるよう、求められるように体を鍛え、求められれば求められるままに体を売るようになった。


それで満ち足りない気持ちを満たして敗北感も虚無感も何もかも満たしていたのだと思う。


最初は許した。


いや、本当はイヤだった。


許しちゃいけなかった。


だけど、男の人なんてみんなそうだ、


絶対私に戻って来てくれる、


私を必要としてくれる、


そう思ってやまなかった。


しかし、次第にエスカレートしていき、先生にまで呼び出しをくらい、学校中で女遊びが激しい男だと噂されるようになり、私も追い詰められていった。


話かけても無視され、メールも電話もダメ。


そしてそのまま卒業の日を迎えた。


< 5 / 13 >

この作品をシェア

pagetop