からふる。~第12話~
高校生になってすぐに私は彼の家に行った。


お母様が対応してくれたのだけれど、高校名は教えてもらえず、ただ元気にしているということだけが伝えられた。


凪砂を忘れられないまま私は時を過ごした。


3人に告白されたけれど全て断った。


中には顔だけでなく、中身まで凪砂より爽やかでカッコいいんじゃないかと思う人もいた。


だけど、イヤだった。


凪砂じゃないとイヤなんだ。


私の最初も最後も、


本当は優しくて


頑張り屋さんで


真面目で


笑顔が素敵な


青波凪砂じゃなきゃダメ。


汚れたって間違っていたっていい。


私だけは凪砂を、凪砂の弱さも全て許して包み込んであげられる存在でありたい。


だから無視されたって、


避けられたって


ここに来た。


紗彩さんの言葉を頼りにここに来たんだ。


凪砂に会うために。


凪砂にもう一度笑ってもらうために。


凪砂の最高の笑顔をもう一度見るために。



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