恋慕花〜新撰組綺譚〜

_202X.6.15. 椿side

「『……花と水』という句を遺したと言われています。」


日本史の授業中。私は宛ら嵐の如く迫り来る眠気と戦っている。
このままでは観点別評価の知識・理解分野など手に負えそうにもない。こちらは態度だけで精一杯だ。


「この時代では…………」


……ダメだ、先生の声がどうしても子守唄にしか聴こえない。何?先生ってば、そんなに私に寝て欲しい訳??


「じゃあここを〜、今11時23分だから23番にしちゃお〜。23番誰?神瀬(かみせ)か。」


あ、もうダメだわ……ごめんよ先生……


………Zzz…Zzz…

ザワザワ……



「おーい23番〜」

ザワザワ……

Zzz……zZz……



「おい誰か起こしてやれ」

ザワザワ……



「起きて、起きて椿……!!」





……?何か呼ばれてる気がする………


パチリ 「……?」


「当たってるよ……!!!」




先生「………」ジーーーッ


椿「………」ダラダラダラダラ( ˆ꒳​ˆ; )



え、こんな時に限って当てられるなんてことある!?タイミング悪すぎ最悪!!意味不!!!!!


先生「…先生ちゃんと見てるからな〜?気を付けろよ〜」


椿「はい……(偶然当たったのが寝てた私なだけじゃんかよ〜!!)」

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