恋慕花〜新撰組綺譚〜
______放課後、正面玄関


昼休みと放課後の茜のマンツーマン指導のお陰か、日本史の流れは大体掴めた。


時間を見るためにスマホのロック画面を開くと、そこには大きく【18:54】と表示されていた。
割と長時間居残りしてしまったから、太陽が殆ど沈んでいる。


「茜、今日は本当にありがとう〜!また明日ね!」


「いいっていいって!家でもちゃんと勉強してよ〜!!ばいば〜い」



校門で茜と別れ、イヤフォンでお気に入りの音楽を聴きながら家へ向かう。


「(茜情報によると今回テスト作る先生は新撰組ヲタクらしいから、今の時間にささっと新撰組について調べておこうかな)」テクテク


ザッザッ


「(ふむふむ、文久3年に浪士組が新撰組に変わったと)」テクテク


ザッザッ


「(ほーん、活動自体は5年位なんだ……。何かめっちゃ長いイメージあったなあ……)」テクテク


ザッザッ


「(ほ…ほうぎょく?発句集………。え、この人めっちゃ梅好きやん………)」テクテク


ザッザッ




「(…………。)」テクテク


ザッザッ


「(…………。)」テクテク


ザッザッ


「(…………。)」ピタッ


……。



「(…………………?)」



…誰かにつけられてる…?



…気のせいかな


「(…………。)」テクテク


ザッザッ


「(…………。)」ダッ


ザザザザザ


「(!?やばい、これ気のせいじゃない…!)」




「(………っ!!!)」タタタタタタッ




ダダダダダダダ…



「(もう少しで捕まっちゃう…!!)」




「つ カ ま え 」



フッ



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