恋慕花〜新撰組綺譚〜
自信満々にそう言う彼に、私は眉を顰める。
「何でそんな…「ほらほら、さっさと立ってよ。寺へ帰ろう。どうせ行く宛など無さそうだし。」…え!?ちょっ……!!」
強引に歩かされ、足がもたつく。
「うひゃっ」
ドテッ
…激しく転んでしまった。とても恥ずかしい。
羞恥心のあまり起き上がれないでいると、
「本当に鈍臭いなあ。ほら、手に掴まって?」
と、手を差し伸べて助けてくれた。
これが乙女ゲームだったら、きっとここでスチル入ってんな、と思った。