eternal〜守りし者〜
男は戦から戦の乱世を生き、ここ駿流美(するみ)の地に華やかで立派な城を築いた。その男の名は菅張 将我(かんばり しょうが)。腕っ節、容姿端麗、頭も賢く次々に駿流美の地を広げて行った。妻、流維(るい)との間に1人息子将季(しょうき)を授かった。流維は風邪を拗らせ体調を崩すと、将季が8歳を迎えて間もなくこの世を去った。誰もが羨む美貌と優しさに溢れていた妻を亡くした将我は、その2年後20歳も歳の離れた若い娘を後妻に迎えた。それが悠奈(ゆな)、まだ18歳の頃だった。息子と8歳しか変わらぬ後妻に誰もが驚いたが将軍に口出し出来る者は誰1人居なかった。女好きだと噂された将軍であったが、愛した女は唯一ただ1人。流維だけであった。将我はもう2度と妻を看取りたくは無い。まだ幼き息子が立派に将軍となる日が来るまでは母代わりにと、あえて健康的かつ若い娘を選んだのである。そして悠奈も、将我の中に自分へ向けられる気持ちなど、これっぽっちも無いのだという事を悟り、将季の成長だけを生きがいとしこの城で暮らしていた。そして、将我は艶女制度を作った。将軍の寝夜を共にする為だけの美女を村や町から3人城へと迎え、何不自由なく贅沢な暮らしをさせ、その者達の家族にも十分な支度金を与えた。
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