eternal〜守りし者〜
将季は8歳…空我、鈴の2人は10歳から佐護路の元で修行の日々を送り、日に日に強さを身に付けて行った。修行中は5分程滝での休憩時にのみ互いの会話が許された。時に佐護路が不在の日には3人で会話をしながら訓練に励んだ。

『鈴、この石を持って走れ!俺と空我は10数えたらお前を追う。先に鈴から石を奪った方の勝ちだ。いいな。』

『分かった。ちゃんと捕まえてね。』

『10ならイケる!』

『よし、走れ!鈴!』


将季と空我はまるで兄弟の様に仲が良く、良きライバルでもあった。城の中では会話はもっての他、顔を合わせる事も無い3人。それぞれ立場は違えど修行中は同志。仲間。友の様な絆で結ばれていた。

15歳を過ぎた頃、佐護路が不在の修行中だった。川で足を滑らせた鈴が立ち上がれなくなった。空我が薬草と添え木となる枝を探しに森へ走ると、将季は鈴を担いで木陰へと運んだ。

『ごめん将季…様。』

『なんだよ様って。修行中は別にいぃって言ってんだろ?』

『…うん…。けど…。』

『けど何だよ?どうした?足、痛むのか?』

『私は将季を守る為に此処へ来た。その為に辛い修行にも耐えて来た。こんな事で怪我をしてる様じゃ…将季を守れない。こんなんじゃ…此処に居れなくなる。そしたらもう…私の居場所なんて…。』

何故此処へ来たのか、その意味を理解して修行を続けてきた鈴に将季は笑ってみせた。
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