eternal〜守りし者〜
『馬鹿かお前。俺は女に守ってもらう程弱くは無い。』

『…だったら私はとっくに用無しね…。』

そう呟く鈴に将季は頭を撫でて言った。

『顔を上げろ鈴。俺はもっともっと強くなる。父上を超える将軍になる。その為にお前が必要なんだ。お前が居なきゃ…俺は強くなれない。』

将季の笑顔に鈴の顔も緩んだ。

『いいか鈴。お前の居場所はどこへも行かない。この先も…ずっと俺の側だ。忘れるな。俺がお前を守ってやる。』


鈴はその言葉に目を丸くし頬を染めた。


そんな2人のやり取りを、そっと聞いていた空我。どのタイミングで出て行こうかと息を潜めていた。


それを同様に見守る佐護路。
黙ってその場を立ち去った。


『こんな所に居たのか?』

ようやく姿を見せた空我は鈴の足に薬草を貼り、着ていた服を裂いた布で添え木を固定した。

『ごめんね空我…服…。』

『こんなの修行でとっくにボロだ。それより足、痛むか?』

『うん…ちょっと。でもありがとう。』

鈴は木陰で休んでいる間、将季と空我は2人で森へと訓練に向かった。時折2人が川の方へ出て来ては森へと見え隠れする様を楽しげに見ていた。
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