女王様の言うとおり
「そんなことよりさ、そろそろ大山君の検査結果が出るよね」


気を取り直すようにあたしは言った。


色々なことがあって忘れてしまいそうだが、大山君の薬物検査をしたのだった。


「そうだったな。ちょっと連絡してみるか」


そう言って柊真がスマホを取り出す。


大山君とはあれ以来会っていないけれど、どうしているだろうか。


《柊真:最近どうしてる? そろそろ検査結果が出たんじゃないか?》


《大山:すごいよすごいよ! 僕は巣になった! 彼らの巣になったんだ!》


その文面を見て柊真は顔をしかめ、あたしたちに内容を見せてくれた。


「巣になった?」


ヒナが首をかしげている。


あたしも同じ気分だった。


巣になったとはどういう意味だろう?


《大山:彼らにはちゃんと役割分担があるんだ僕の体の中で繁殖する者。僕の口や鼻の穴から出入りしてエサを取る者……》


「なんのことを言ってるんだ? 巣になったとか、役割分担とか」


呟く柊真に、あたしはハッと大きく息を飲んでいた。
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