女王様の言うとおり
「蟻の巣……?」


あたしの小さな呟きは誰もいない中庭に大きく響いた。


蟻には役割分担がある。


子供を産み続ける女王蟻とエサを取ってくる働き蟻。


それらが大山君の体内にいるということなんだろうか?


考えて、サッと血の気がひいていくのを感じた。


「様子を見に行ってみよう」


柊真はそう言い、食べかけのお弁当を閉じて立ち上がったのだった。
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