女王様の言うとおり
「大山!?」


柊真はそう言った瞬間、その場に固まってしまった。


「どうしたの?」


そう声をかけ、襲う襲る柊真の後ろから玄関内を覗き込んだ。


その瞬間……大量の蟻が玄関に蠢いているのが見えた。


蟻の大群のせいで床が真っ黒に塗りつぶされてみえるほどだ。


その先へ視線を向けると大山君が仰向けになって倒れている。


「痛い……痛い……」


と呟くその顔には何匹もの蟻が這い回り、口や鼻、耳や目の隙間からせわしなく出入りしている。


「イヤアアア!」


後ろにいたヒナが悲鳴を上げてその場にうずくまった。


「き、救急車!」


柊真が我に返ったように叫んだのだった……。
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