女王様の言うとおり
同じ奴隷は先にキスをした方の味方になる。


これは正しかったようだ。


「今日からあなたの女王様は変わった」


「うん。A組の大西さんだね」


男子生徒は口角を上げ、嬉しそうにほほ笑んでいる。


「このお菓子はあたしから大西さんに渡しておいてあげる。あなたは今まで通りB組のアイリに仕えているフリをして。機会を伺ってクラスメートにキスをして、大西さんの仲間を増やすの」


「わかった」


眼鏡男子は従順に頷く。


そんな彼を見て、あたしは満足して頷いたのだった。
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