女王様の言うとおり
アイリは唇を噛みしめて大西さんを睨み続ける。


「そっちがその気なら、こっちだって仲間を増やす。宣戦布告として受け取る」


アイリは早口にそう言うとB組へ戻って行ってしまった。


「大丈夫なの?」


さすがに不安になり、あたしは大西さんへ向けてそう聞いた。


後から転校してきたと言っても、アイリだって女王蟻なのだ。


本気で戦うとなると互角の勝負になるだろう。


「安心して? 今までよりももっともっと仲間を増やせばいいだけ。もうクラスなんて関係ない。とにかくあたしの仲間を増やすの!」


大西さんの言葉に全員が頷いた。


そうだ。


向こうよりも仲間が多ければ勝敗は上がる。


ただそれだけのことなんだ。


「行こう!」


柊真がみんなへ向けて呼びかけ、全員で一斉に教室を出た。
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