女王様の言うとおり
あたしが怪談に到着して立ち上がったのと、ナースステーションから看護師さんが出て来たのはほぼ同時だった。


咄嗟にあたしは靴をぬぎ、それを手に持って階段を駆け下りた。


音を立てず、だけど走れる方法はこれしかなかった。


一気に一階まで駆け下りると心臓が爆発しそうなほど早く打ちつけていた。


肺が圧迫され、痛みを感じる。


それでもあたしは止まらずに走り、緊急外来の扉を発見した。


あそこからなら出られる!


あたしはとびつくようにして扉を開け、外へと脱出したのだった。
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