女王様の言うとおり
柊真の口から『告白』という言葉が出て来た瞬間、心臓が大きく跳ねた。


「ま、まさかぁ」


あたしは緊張でカラカラに乾いた声で返事をする。


「2人でどっかに行くぞ、ついて行ってみるか」


「え?」


「ちょっとだけ。気になるだろ?」


そう言う柊真の顔は好奇心旺盛な少年の顔になっていた。


「でも、もし告白だとしたら申し訳ないよ……」


今日まさに自分が柊真へ告白しようとしているのに、他人の告白シーンを覗く余裕なんてなかった。


しかし、柊真はあたしの言葉が聞こえていなかったようでズンズンと歩き出してしまった。


あたしは慌ててその後を追い掛ける。


「ちょっと柊真……」


声をかけようとした途端、柊真が立ち止まったので危うくぶつかってしまいそうになった。


至近距離で柊真が振り向き、人差し指を唇にあてて「シー」と言った。
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