女王様の言うとおり
教室のあちこちから嘆息する声がきこえてくる。


大西さんが教卓の横に立つと、その身長が先生と同じくらいだとわかった。


恐らく、170センチくらい。


モデルにでもなれそうなその容姿にクラクラしてしまう。


「始めまして、大西真由です」


そう自己紹介する声は嫌味じゃない程度に細く高く、可憐だと感じた。


花が咲くときに音がするとすれば、きっと彼女の声のような音だろう。


容姿と平凡な名前がマッチしないくらいだ。


彼女の名前は西園寺麗華とか、伊集院美花とか、そう言った名前の方がしっくりくる。


「大西さんは開いている席に座って」


先生の視線があたしの後ろの席へと向かい、ドキッとした。


どうしてひとつ席が空いているのだろうと思っていたけれど、大西さんの席だったようだ。
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