Bitter Sweet
「はぁあああああ疲れた」
職員室で喚く私。
「木崎先生、お疲れ様です」
副担任の尾川先生が言ってくる。
「尾川先生こそお疲れ様です、あと1日で三者面談が終わるんで頑張ります」
「いいですね〜、俺なんてお盆休み以外3年の補習で正直きつい」
「それは大変ですね〜」
「私なんて三者面談に部活に補習よ!」
絵梨花がいきなり叫びながらデスクに着く。
「絵梨花もお疲れ〜」
「4組の陽平くんいるじゃない?」
「あーずっと静かな子?」
「そー、その子が俺は進学したいって言うんだけど、親が就職させたがっててそれで意見分かれてめっちゃ大変だった〜」
「陽平くんは確か大手IT会社の息子だよね?」
「そー、それで跡取りとかなんとかでもう陽平くんの気持ちこれっぽっちも考えてくれないの親が。」
「それはそれで困ったね」
「まだ1年だからゆっくり考えていきましょうと言っても親はゆっくりって言ったらあっという間に3年生になるんです、早く決めないと!とか言ってきて私どうすればいいか分かんない〜」
「陽平くんの気持ち1番だよね、本人がしたくないことさせるわけにはいかないし、でも1番は親と子供の意見が一致することだよね」
「俺もそう思う。」
「なんとか頑張るわ〜」
「木崎先生いますか?」
校長が職員室で私を呼んだ。
嫌な予感がした。
まさか…と思いながらも「わかりました」と言って校長室に入る。
「なんでしょうか」
「今から聞くのは校長としてではなくて、蓮斗の親としてだ、蓮斗はどうかな?」
「どうとおっしゃいますと?」
「学校生活とか、俺も学校を回りながら蓮斗のことを見るんだけど俺見るとすぐ逃げるから、蓮斗の様子がよく分からなくてね…今更親ぶっておかしいんだけど」
「蓬莱くんはよく頑張っています、成績も良いですし、部活も頑張っています。」
「今日、三者面談したそうだな、蓮斗は建築関係の大学に行きたがっているのか?」
「そうです、なんでわかったんですか?」
「中学の時に蓮斗に会った時チラッと言ってて建築家かっこいいってそれでもしかしたらと思っただけだ」
「そうなんですね、差し支えなければ聞いても良いですか?」
「なんだい?」
「蓬莱くんや蓬莱くんのお母様とは会ったり連絡したりはしないんですか?」
「美玲(みれい)とは連絡取ってるよ、でも蓮斗は電話番号知らないんだよな、そろそろ知りたいなぁ、でも親だけど親らしいことなにひとつしてないから」
「そうなんですか」
「これからもよろしく蓮斗のことを」
「わかりました、失礼いたします。」
少しホッとした。校長も親らしいことはしてないと言ってたけどやっぱり自分の息子。
心配したり考えたりするよね。
「咲良、校長からなに言われたの?」
絵梨花がなぜか校長室のドアの隣にいて、私を空き教室に連れて行く。
「校長としてじゃない、蓬莱くんの父親として蓬莱くんは最近どうだ?って聞いてきただけだよ」
「そう、ならよかったけど」
「え?一緒に暮らしてないの?」
「いろいろあってね…詳しくは話せないんだけど」
「そっか、夏休み中にご飯行こうね、私、部活行ってくる」
私は部活を担当していないから三者面談が終わったらもう帰る。
携帯を見たら、蓮斗からメールが来てた。
「今日はお母さんとご飯食べるから明日会おう」
よかった、家族水入らずの時間。
担任としても蓮斗の彼女としても嬉しかった。
職員室で喚く私。
「木崎先生、お疲れ様です」
副担任の尾川先生が言ってくる。
「尾川先生こそお疲れ様です、あと1日で三者面談が終わるんで頑張ります」
「いいですね〜、俺なんてお盆休み以外3年の補習で正直きつい」
「それは大変ですね〜」
「私なんて三者面談に部活に補習よ!」
絵梨花がいきなり叫びながらデスクに着く。
「絵梨花もお疲れ〜」
「4組の陽平くんいるじゃない?」
「あーずっと静かな子?」
「そー、その子が俺は進学したいって言うんだけど、親が就職させたがっててそれで意見分かれてめっちゃ大変だった〜」
「陽平くんは確か大手IT会社の息子だよね?」
「そー、それで跡取りとかなんとかでもう陽平くんの気持ちこれっぽっちも考えてくれないの親が。」
「それはそれで困ったね」
「まだ1年だからゆっくり考えていきましょうと言っても親はゆっくりって言ったらあっという間に3年生になるんです、早く決めないと!とか言ってきて私どうすればいいか分かんない〜」
「陽平くんの気持ち1番だよね、本人がしたくないことさせるわけにはいかないし、でも1番は親と子供の意見が一致することだよね」
「俺もそう思う。」
「なんとか頑張るわ〜」
「木崎先生いますか?」
校長が職員室で私を呼んだ。
嫌な予感がした。
まさか…と思いながらも「わかりました」と言って校長室に入る。
「なんでしょうか」
「今から聞くのは校長としてではなくて、蓮斗の親としてだ、蓮斗はどうかな?」
「どうとおっしゃいますと?」
「学校生活とか、俺も学校を回りながら蓮斗のことを見るんだけど俺見るとすぐ逃げるから、蓮斗の様子がよく分からなくてね…今更親ぶっておかしいんだけど」
「蓬莱くんはよく頑張っています、成績も良いですし、部活も頑張っています。」
「今日、三者面談したそうだな、蓮斗は建築関係の大学に行きたがっているのか?」
「そうです、なんでわかったんですか?」
「中学の時に蓮斗に会った時チラッと言ってて建築家かっこいいってそれでもしかしたらと思っただけだ」
「そうなんですね、差し支えなければ聞いても良いですか?」
「なんだい?」
「蓬莱くんや蓬莱くんのお母様とは会ったり連絡したりはしないんですか?」
「美玲(みれい)とは連絡取ってるよ、でも蓮斗は電話番号知らないんだよな、そろそろ知りたいなぁ、でも親だけど親らしいことなにひとつしてないから」
「そうなんですか」
「これからもよろしく蓮斗のことを」
「わかりました、失礼いたします。」
少しホッとした。校長も親らしいことはしてないと言ってたけどやっぱり自分の息子。
心配したり考えたりするよね。
「咲良、校長からなに言われたの?」
絵梨花がなぜか校長室のドアの隣にいて、私を空き教室に連れて行く。
「校長としてじゃない、蓬莱くんの父親として蓬莱くんは最近どうだ?って聞いてきただけだよ」
「そう、ならよかったけど」
「え?一緒に暮らしてないの?」
「いろいろあってね…詳しくは話せないんだけど」
「そっか、夏休み中にご飯行こうね、私、部活行ってくる」
私は部活を担当していないから三者面談が終わったらもう帰る。
携帯を見たら、蓮斗からメールが来てた。
「今日はお母さんとご飯食べるから明日会おう」
よかった、家族水入らずの時間。
担任としても蓮斗の彼女としても嬉しかった。