Bitter Sweet

次の日1試合目から俺らが出ないといけない。


朝、バイキングでパン食べ過ぎてお腹痛い。


パン…


それだけで咲良ちゃんと一緒にパンを食べた記憶が蘇る。


「蓬莱!」


「なんですか?」


「対戦相手の7番と8番がディフェンスが強いから気をつけろ」


「わかりました。」


試合が始まる前に観覧席を見る、たくさんの人がいるけど、咲良ちゃんの姿は見当たらない。


礼をして試合が始まる。


結果は55-41


2回戦目は71-59


まだ来ない咲良ちゃん。


もしかしてこないとか?


3回戦目、いた、咲良ちゃん。青のシャツワンピースに髪は束ねていてめっちゃ可愛い。


隣は…羽柴?


なんで羽柴先生がいるんだ?


「蓮斗、行くぞ!」


「はい!」


3回戦目も61-33で圧勝。


昼ごはん、本当は咲良ちゃんと食べたいけど、午前中の試合を見ながら昼ごはんを食べなきゃいけない。コンビニのパンを頬張りながら映像を見る。


トーナメント戦までは後2時間もあるから少しゆっくりはできるかな。


映像を見ていたら


「おぉ、咲良!」


咲良ちゃんと市川先生と羽柴っちが3人でいろいろ話している。


離れているから聞こえない。


でも市川先生は咲良って呼んでた?なんで?前に会ったことあるのか?


映像が終わって少し話し合いをした後に咲良ちゃんのところに行く。


「咲良ちゃん〜」


「咲良ちゃんじゃない、周りにバレちゃダメでしょ!」


「すいません、羽柴先生、羽柴先生は知っているんですね」


「そうよ、まぁこれはダメだけど応援しているわ、咲良のこと大好きだから」


「ありがとうございます、で、なんで羽柴先生が?」


「咲良一人で来たらなに噂されるか分からないからね〜」


「そうですね」


「私が邪魔でごめんなさいっ」


「邪魔じゃないよ、私が呼んだの絵梨花を、1人じゃバスケ会場行きにくいから」


「確かにそれはそうですね」


「でしょ?蓬莱くん、点数決めててかっこよかったよ〜、これから準々決勝頑張ってね」


「優勝します」


「応援してるよ〜」


「ありがとうございます羽柴先生」


確かにここはいろんな先生が集まっている。保護者もいるし。


咲良ちゃんってわけにはいかない。


完全に頭が木崎 咲良だらけだ…


今はバスケに集中だ。











〈番外編〉咲良と絵梨花

蓮斗から金曜日にどうしても試合に来て欲しいと言われたけど、土曜日は仕事で行けないから日曜日なら行けると言ったら喜んでくれた。


それほどまでに私のことを好きなんだなと実感する。


土曜日学校に行って絵梨花に言ったら


「私も行く〜」


「なんで?」


「咲良、考えて、バスケの大会とはいえ顧問の先生だって高校教師だしいろんな人達がいるのに
もしバレたらどうするの!市川先生もいるんだよ!?」


「確かにそうだね、蓮斗はまだ私と夏来の過去知らないしもしバレたらやばいね」


「私も日曜日はひまだから私と行こう!」


「いいの?」


「いいよ!」


「分かった、明日8:30ごろに絵梨花の家に行くね」


- - - - - - - - - - - -

「やばい、もう9:30じゃん!!!」


なんでこんな時に限って寝坊しちゃうかな私〜


パン焼いてそのままジャム塗って食べて、着替えてすぐ絵梨花を迎えに行く。


私の家から絵梨花の家までは20分あれば着く。


「絵梨花!ごめん今から家に出るから遅れる!」


「大丈夫よ、私も今起きたばっかりだから」


「絵梨花もか」笑 「すぐ向かいます!」


車をぶっ飛ばして絵梨花の家についた。


「絵梨花ごめん!」


「だーかーらー大丈夫だよ!」


「はやく乗って!」


「は、はーい!!」


「てか、ここから試合会場まで1時間あれば行けるよね?」


「行けるけどもう1時間遅れてるよ、今行けば11:00になっちゃうね」


「あーもうごめんね!」


「私に謝らないで蓬莱くんに謝らないと!」


「でも午後からでも試合あるよね」


「陽の川高校が勝ちつづければね〜」


「大丈夫だよ、熱血夏来が鍛え上げたはずだから」


「そうね、咲良、市川先生が咲良と前に付き合っていることを蓮斗にバレちゃいけない。蓮斗と咲良が市川先生にバレるのもだめ。ってことよね?」


「そうだけど?」


「すごい関係性ね」笑 「気をつけなさいよ〜いろいろと、私がしっかり監視しとくから」


「絵梨花…本当にありがとうね」


「咲良は蓬莱くんに出会って表情も豊かになったしいろんな感情を持つようにもなったと思う、自分では気付いてないだろうけどね」笑


「確かに、そうかも…」


「生徒の蓬莱蓮斗だけど、咲良にとってはいい人だと思うの。だから卒業まではバレないように見守るし、これからもずっと咲良と蓮斗。応援するから。そして咲良も応援して、私にいい恋が出来るように!!!」


「分かったよ絵梨花!!!」


11時過ぎにやっと着いて体育館に入る。


やばい、めっちゃ人がいる。


なんとか2席確保して、蓮斗を見つける。


丁度蓮斗が試合に出るみたい。


絵梨花と一緒に手を振る。


気付いてくれた蓮斗。


そして圧勝。


「蓬莱くんすごいね〜、めっちゃスリーポイントシュートしてたね!」


「そうだね」


「これから1時間休憩時間だって、なんか食べよっか」


「下に販売店あるから買いに行こ!」


絵梨花は弁当、私はあまりお腹が空いてないからクレープを買った。


そして、夏来に会った。


「咲良!」


「あ、なつ…市川先生!」


「羽柴先生も来てくれたんですね」


「ええ、優勝するところを見たくてきました!」


「木崎先生はなぜ?」


「あー、っと、えー、絵梨花の付き添いで!」


「そうなんですね、応援してくださいねうちらの高校」


「もちろん!」「当たり前だよ!」


「俺そろそろ行くわ、ビデオチェックしないといけないから」


「わかった」


「市川先生、最初咲良って言ってたよ」


「高校の時にお互い呼び捨てで呼んでたからね」


「ほんと青春ね」笑


「咲良ちゃん〜」


蓮斗が来た。


「咲良ちゃんじゃないでしょ!」


絵梨花の反応が早い笑


蓮斗といろいろ話す。


「蓬莱くん、咲良ちゃんって呼んでるんだ」


「学校以外でね」


「お似合いだけど、ここが学校じゃないからプライベートモードになってた」笑


「そうだったね、でも試合では頑張ってくれるよ」


「そうね、1年エースに期待しましょう!」


「やばい、早くクレープたーべよ♡」
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