Bitter Sweet
残り3ヶ月

市川先生と過ごすクリスマスの夜

「みなさんクリスマス何するんですか?」


絵梨花がみんなに聞く。


学年主任:「これから家族とレストラン」


副主任:「独り身だから愛猫とケーキ食べて過ごすつもりよ」


絵梨花:「私は今日合コン!」


「「えぇー!!」」


尾川:「家でケーキ食べます」


市川:「なにもないですね」笑


辻元:「俺は家族とイルミネーション見に行く予定だよ、娘がどうしても行きたいって言うから」


辻元:「木崎先生はなにするの?」


「ケーキ食べるくらいですかね〜」


辻元:「クリスマスと言ったらそれぐらいだよな、大人はクリスマスでも仕事だし」


「そうですね〜」


「咲良、私もう行くね、合コンに遅れる!」


「はいはい〜」


クリスマス。本当は蓮斗と過ごす予定だったけど、お母さんが来るとか言ってお母さんを優先しなきゃだめだよ!と蓮斗を説得して蓮斗はお母さんと食事するらしい。


私の本音としては、校長と3人で食べて欲しいけど、蓮斗から聞いた通り、いろいろあったし私があまり首を突っ込むところではないから、じっと見守るしかできない。


家に帰ろうとしたら、


「咲良」


「どうしました、市川先生」


「予定ないよな?」


「うん、まぁ…」


「一緒にご飯食べに行かない?バイキング行きたいんだよ」


蓮斗が知ったら怒られるけど、本当に夏来に恋愛感情はないし、教師としての関係の延長線で行くからいいっか。


「うん、行く」


すごい人がたくさんいる。


カップルだらけ……いやいや、うちらは教師です。


ここのバイキングは肉やサラダにスイーツにお寿司にいろんなカレーに麺類。たくさんある。これはたくさん食べれそう。


「夏来、最初うどんなんだ」笑


「なに、悪いか?」


「いや、焼肉とかあるからそっちかな〜と思って」


「俺はたくさん食えるから順番関係ないの〜」


「私も今日はたくさん食べる、でも私は甘党だから、スイーツをたくさん食べようかな〜」


「俺は申し訳ない、咲良に、5年前ひどい振り方をして、咲良を傷つけて、偶然再会してなかったことにしようとして咲良にフランクに話しかけるって咲良は思ってるだろうけど、本当に悪かった、ごめんな」


「今日クリスマスだよ?悲しいこと言わないで、たくさん食べようよ!」


「まぁそうだな、前に進んでいる咲良を見れてよかった」


「ありがとう」


ーメールの着信音


「仲良く食べてるよ〜クリスマスケーキまた別の日にね!」


蓮斗から、お母さんとツーショットの写真。


いい写真。


満足して、もっと食べた。


「今日はありがとな、それじゃまた明日な!」


「うん、じゃーね!」


明日から冬休み。でも教師は3日間出勤しなければいけない。


もう私は覚悟を決めていた。
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