Bitter Sweet
禁断の恋スタート
動いた私の心
4月はてんてこまいで忙しくて大変だった。
5月になり、少しは落ち着くだろう、と思ったら次は定期テストがある。落ち着く暇なんてない。
私の担当は数学。同じく1年で数学を担当している道枝先生から、これではテスト範囲を縮めないといけないからペースを上げてくださいと言われ、少し早めに授業を進める。
さすが進学校。誰1人寝る人がいない。
と思ったら、寝てる生徒が1人。
蓬莱蓮斗。
学年委員長なのに寝てるとは。しかもこれが初めてじゃない。もう数えきれないくらい寝てる。
「蓬莱くん、起きて」
「あ〜、はい」
蓬莱くんは重たい目を開けて、返事をしてペンを持つけど、5分後また寝ている。
もう無視しかない。
ーピーンポーンパーンポーン
今日は一気に7ページも進んだ。
「今日はこれで終わります、号令お願いします」
「気をつけて、礼」
ほぼずっと寝ていた蓬莱くんが小さい声で言う。
「蓬莱くん、ちょっと来てくれる?」
来たのは数学準備室。
「なんですか?」
「2週間後、テストがあるの、数学だけじゃなく他の科目もとても広い範囲で大変なのに授業中寝ちゃだめだよ」
「先生、お願いがあるんですけど」
「なに?」
「2週間後の定期テストで俺が全科目1位だったら俺と付き合ってください」
……
なんて言った?幻聴?いや、そんなわけがない。いや、そんなわけであってほしい。
「蓬莱くん、冗談はだめだよ」
蓬莱くんは私を冷たい壁に追いやって壁に両手をつく。
いわゆる壁ドンってやつ。
蓬莱くんは顔を近づけて、
「冗談じゃありません。俺は好きなんです、木崎先生のことが。遊びなんかじゃない。」
私の目を真っ直ぐ捉えているその目は嘘じゃないと思った。
これは本気だと…
でも、蓬莱くんは生徒。
バレたらとんでもないことになる。
でも、なんだろう、この胸のざわめきは。
蓬莱くんと距離が近いからざわめいているんじゃない。
4月から蓬莱くんを見るたびに胸がざわめいていた。
最初は蓬莱くんが校長の息子だから緊張しているだけだと思っていた。
でもそうではないみたい…
私は決意した。
「分かった、全科目1位だったら付き合う」
「ありがと、先生、ていうか、その上目遣いやばいよ?」
「え?」
蓬莱くんは私に軽く唇を重ねてきた。
「これで頑張れる、じゃーね、先生。」
私はそのまま床に座り込んでしまった。
もし、蓬莱くんが1位を取ったら私は蓬莱くんと付き合わないといけない。
でも、全科目1位なんて取れないわけないよね…
いや、ちょっと待って。
入試でトップ取ったんだ、全科目1位なんてあり得る。
もしかして、蓬莱くんは自分が1位を取れると思ってるから私に言ったの?
どうしよう…頭も体もフリーズ。
あんな簡単に付き合うとか言っちゃってよかったのか…
いや、絶対よくない。
いくら、蓬莱くんに向けての気持ちが単純な生徒としてじゃなくても、こんないとも簡単に決断してよかったの?
簡単に決意するもんじゃないのに…
でも、言ってしまった言葉は取り消せない。
ーキーンコーンカーンコーン
2限目のチャイム。
でも私は授業が入ってない。なんとか体を動かしてめっちゃ甘いカフェオレを飲んだのに全く甘く感じない。
たった今目の前で信じられない甘いと認めて良いのかどうか分からないけどとにかく甘い出来事が起こったからなのか…?
私の運命が決まるのは2週間後。
5月になり、少しは落ち着くだろう、と思ったら次は定期テストがある。落ち着く暇なんてない。
私の担当は数学。同じく1年で数学を担当している道枝先生から、これではテスト範囲を縮めないといけないからペースを上げてくださいと言われ、少し早めに授業を進める。
さすが進学校。誰1人寝る人がいない。
と思ったら、寝てる生徒が1人。
蓬莱蓮斗。
学年委員長なのに寝てるとは。しかもこれが初めてじゃない。もう数えきれないくらい寝てる。
「蓬莱くん、起きて」
「あ〜、はい」
蓬莱くんは重たい目を開けて、返事をしてペンを持つけど、5分後また寝ている。
もう無視しかない。
ーピーンポーンパーンポーン
今日は一気に7ページも進んだ。
「今日はこれで終わります、号令お願いします」
「気をつけて、礼」
ほぼずっと寝ていた蓬莱くんが小さい声で言う。
「蓬莱くん、ちょっと来てくれる?」
来たのは数学準備室。
「なんですか?」
「2週間後、テストがあるの、数学だけじゃなく他の科目もとても広い範囲で大変なのに授業中寝ちゃだめだよ」
「先生、お願いがあるんですけど」
「なに?」
「2週間後の定期テストで俺が全科目1位だったら俺と付き合ってください」
……
なんて言った?幻聴?いや、そんなわけがない。いや、そんなわけであってほしい。
「蓬莱くん、冗談はだめだよ」
蓬莱くんは私を冷たい壁に追いやって壁に両手をつく。
いわゆる壁ドンってやつ。
蓬莱くんは顔を近づけて、
「冗談じゃありません。俺は好きなんです、木崎先生のことが。遊びなんかじゃない。」
私の目を真っ直ぐ捉えているその目は嘘じゃないと思った。
これは本気だと…
でも、蓬莱くんは生徒。
バレたらとんでもないことになる。
でも、なんだろう、この胸のざわめきは。
蓬莱くんと距離が近いからざわめいているんじゃない。
4月から蓬莱くんを見るたびに胸がざわめいていた。
最初は蓬莱くんが校長の息子だから緊張しているだけだと思っていた。
でもそうではないみたい…
私は決意した。
「分かった、全科目1位だったら付き合う」
「ありがと、先生、ていうか、その上目遣いやばいよ?」
「え?」
蓬莱くんは私に軽く唇を重ねてきた。
「これで頑張れる、じゃーね、先生。」
私はそのまま床に座り込んでしまった。
もし、蓬莱くんが1位を取ったら私は蓬莱くんと付き合わないといけない。
でも、全科目1位なんて取れないわけないよね…
いや、ちょっと待って。
入試でトップ取ったんだ、全科目1位なんてあり得る。
もしかして、蓬莱くんは自分が1位を取れると思ってるから私に言ったの?
どうしよう…頭も体もフリーズ。
あんな簡単に付き合うとか言っちゃってよかったのか…
いや、絶対よくない。
いくら、蓬莱くんに向けての気持ちが単純な生徒としてじゃなくても、こんないとも簡単に決断してよかったの?
簡単に決意するもんじゃないのに…
でも、言ってしまった言葉は取り消せない。
ーキーンコーンカーンコーン
2限目のチャイム。
でも私は授業が入ってない。なんとか体を動かしてめっちゃ甘いカフェオレを飲んだのに全く甘く感じない。
たった今目の前で信じられない甘いと認めて良いのかどうか分からないけどとにかく甘い出来事が起こったからなのか…?
私の運命が決まるのは2週間後。