Bitter Sweet
新しい光が差し込むように
だんだん近づくさようなら
「今年は雪が少ないね」
「そうですね、でも寒いのは変わらないですね」
期末テストの処理をして、卒業式をして、入試の準備をすると……
「咲良、成績処理間に合う?」
「わかんない、今日までとか急すぎる」
2月に行われた期末テスト。
例年は3月に行われるはずが、入試日程などで前倒しになった。
「期末テストの点数だけの処理でいいんだよね?1年間じゃないよね?」
「1年間じゃないぞ、期末テストだけ、ってかおせーぞ」
「市川先生!」
「木崎先生、校長が呼んでる」
「わかった今行く」
「トントン、失礼します」
「忙しいところごめんね、ここに座って」
「はい」
「君の転任先が決まった、水輪拓成(すいりんたくせい)高校」
「え、そこって…」
「近畿で1番偏差値が高い難関私立だね」
「でも、私の希望には書いてなかったはずですが」
「そうなんだけど、そこの校長が俺と知り合いで急に2人もまた辞めることになってどうしても人が欲しいと、それで木崎先生を紹介したら、うちの高校に来て欲しいとさっき連絡をもらったんだ、ちゃんと教育委員会の許可ももらった。もう1人は俺も知らない。」
「そうなんですか…」
「ここはずっと遠いし頭いい生徒しかいないし、学校の規模も大きいし、大変かもしれないけど、教師としていろいろ学べるだろうし、木崎先生なら大丈夫、1-5の成績、毎回素晴らしいよ」
「いえ、クラスのみんなが頑張ったからです」
「それでなんだが、離任式は3月22日なんだがその時にステージに上がることになるが、その時転任する学校名は言わないほうがいいか?」
「………そうですね」
「木崎先生、俺にとってはダメでも付き合ってて欲しかった、2人は一緒にいれば2人ともお互いいい作用を発揮して楽しい人生を送れる気がする。でもそううまくいけないんだよな、木崎‘‘先生’’だからこそ……蓮斗はストレートにいけても、木崎先生はストレートに出来ないよな、相手が生徒なら尚更…木崎先生が俺の家に来て話したことを俺も考えてみたんだよ」
私はなんて言えばいいかわかんなかった。
しばらくの沈黙……
「校長、そして蓬莱くんのお父様、本当に私と蓬莱くんを理解してくれてありがとうございます」
校長がクスッと笑った
「木崎先生の気持ちは俺も教師だから理解できるけど、蓮斗の気持ちはまだまだだよ」笑
「厚かましいことだと思いますが、蓬莱くんは校長のことを恨んでいないんです、そして少しずつ校長との距離を縮めようと頑張っています、だから血が繋がってるから親子だし、過去をなかったことには出来ないですけど、小さい時に出来なかったことを1つずつやってみてはどうでしょうか、蓬莱くんは最初は距離を取っても少しずつ距離が縮めようとするはずです、蓬莱くんも薄々感じてると思います、お父さんという存在を自分が受け入れてることに。」
校長は目に涙を溜めている。しずくがもうすぐ溢れそうなくらいまでに。
そして、溢れる前にハンカチで目を拭くけど、目はほんのり赤くなっていた。
「木崎先生、俺が知らないことをたくさん知っているみたいだから、俺も時間はかかるけど、蓮斗のことをたくさん知っていかないとな」
「はい、失礼します」
「そうですね、でも寒いのは変わらないですね」
期末テストの処理をして、卒業式をして、入試の準備をすると……
「咲良、成績処理間に合う?」
「わかんない、今日までとか急すぎる」
2月に行われた期末テスト。
例年は3月に行われるはずが、入試日程などで前倒しになった。
「期末テストの点数だけの処理でいいんだよね?1年間じゃないよね?」
「1年間じゃないぞ、期末テストだけ、ってかおせーぞ」
「市川先生!」
「木崎先生、校長が呼んでる」
「わかった今行く」
「トントン、失礼します」
「忙しいところごめんね、ここに座って」
「はい」
「君の転任先が決まった、水輪拓成(すいりんたくせい)高校」
「え、そこって…」
「近畿で1番偏差値が高い難関私立だね」
「でも、私の希望には書いてなかったはずですが」
「そうなんだけど、そこの校長が俺と知り合いで急に2人もまた辞めることになってどうしても人が欲しいと、それで木崎先生を紹介したら、うちの高校に来て欲しいとさっき連絡をもらったんだ、ちゃんと教育委員会の許可ももらった。もう1人は俺も知らない。」
「そうなんですか…」
「ここはずっと遠いし頭いい生徒しかいないし、学校の規模も大きいし、大変かもしれないけど、教師としていろいろ学べるだろうし、木崎先生なら大丈夫、1-5の成績、毎回素晴らしいよ」
「いえ、クラスのみんなが頑張ったからです」
「それでなんだが、離任式は3月22日なんだがその時にステージに上がることになるが、その時転任する学校名は言わないほうがいいか?」
「………そうですね」
「木崎先生、俺にとってはダメでも付き合ってて欲しかった、2人は一緒にいれば2人ともお互いいい作用を発揮して楽しい人生を送れる気がする。でもそううまくいけないんだよな、木崎‘‘先生’’だからこそ……蓮斗はストレートにいけても、木崎先生はストレートに出来ないよな、相手が生徒なら尚更…木崎先生が俺の家に来て話したことを俺も考えてみたんだよ」
私はなんて言えばいいかわかんなかった。
しばらくの沈黙……
「校長、そして蓬莱くんのお父様、本当に私と蓬莱くんを理解してくれてありがとうございます」
校長がクスッと笑った
「木崎先生の気持ちは俺も教師だから理解できるけど、蓮斗の気持ちはまだまだだよ」笑
「厚かましいことだと思いますが、蓬莱くんは校長のことを恨んでいないんです、そして少しずつ校長との距離を縮めようと頑張っています、だから血が繋がってるから親子だし、過去をなかったことには出来ないですけど、小さい時に出来なかったことを1つずつやってみてはどうでしょうか、蓬莱くんは最初は距離を取っても少しずつ距離が縮めようとするはずです、蓬莱くんも薄々感じてると思います、お父さんという存在を自分が受け入れてることに。」
校長は目に涙を溜めている。しずくがもうすぐ溢れそうなくらいまでに。
そして、溢れる前にハンカチで目を拭くけど、目はほんのり赤くなっていた。
「木崎先生、俺が知らないことをたくさん知っているみたいだから、俺も時間はかかるけど、蓮斗のことをたくさん知っていかないとな」
「はい、失礼します」