Bitter Sweet
君のことを忘れない
ーピーンポーン
「はいよー」
インターホンから聞こえる蓮斗の声。
これで、蓮斗の家に行くのも最後だろう。
「意外と遅かったね」
「年度末は忙しくてね」
「大変だね、俺は1-5の奴らと遊んでた」
「おぉ!碧海くん以外の子と遊ぶの初めてじゃない?」
「そんなわけないだろ、俺だって一応学年委員長やってたんだし、クラスを超えていろんな人と連絡取ってるよ、咲良が来れない時遊んだこともある」
「そうなんだ」
「なに寂しいの?」
「ううん、そんなことない、高校生のうちにやりたいこと全部やっちゃいなよ!」
「俺は咲良と一緒にいれればそれでいいの」
「そんなこと言わないの〜」
「だって本当のこと」
その私を見るときの真っ直ぐな黒い目。
キリッとしててその目で私は付き合うことを決めた。
そして、私はもう1度確信した。
蓮斗と私は離れていいんだって。
嫌いになったとかじゃなく、蓮斗のこれからの輝かしい時間を私以外に割いてくれることを信じることができる。蓮斗を愛しているからこそそう思うようになった。
「蓮斗、私ハンバーグ作るね〜」
「お、俺の大好物」
野菜を切って、お肉を捏ねて、混ぜて、焼いてソースをかけて食べる。
一緒に作るとより美味しく感じる。
「お皿は俺が片付けるから」
「私もやる」
「いいの、明日から入試で大変でしょ?」
「まぁね、入試終わったら出張に行かないといけないから」
「は?じゃずっと会えないの?」
「うん、会えないね」
ごめん、出張ってのはウソ。転任する高校に行って挨拶とかしなきゃいけない、それに引っ越しもあるし、蓮斗は私の家に来れない。
「めっちゃ寂しい、じゃいつ会える?」
「3月22日に離任式があるからそこでかな?」
「あと3週間か…長いな」
「毎日電話したりメールすればいいじゃん」
「そうだな、でも俺も春の大会とかあるし忙しいかも俺も」
「頑張って!」
「咲良が会場にいると思って頑張るから、本当は来て欲しいんだけどな〜」
「ごめん、行けない」
「じゃ、この後のお風呂は一緒に入ろう?3週間も会えないんだし」
「一緒に入るの慣れないんだよね」
「毎日一緒入れば慣れるから、回数を重ねると慣れるよ」
「まず今日だけね、一緒入ろう」
お風呂に入って、お互いにドライヤーで髪を乾かす。
「◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯」
「え?」
「だーかーらー、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯」
ドライヤーのスイッチを切る。
「なんて言ってるか分かんない!」
「耳遠いんだね〜、でももう言わない、はずかしいから//」
本当に顔がもっと火照っているように見える。
「私に恥ずかしいことをたくさんさせたくせに!」
「それはいいじゃん、俺彼氏なんだから」
こういうたわいもない時間は自然と笑顔になる。
蓮斗と一緒にいれば幸せだし、例え喧嘩があっても2人の愛情で解決できる自信あるし、ずっと蓮斗の手を握っていられる。
でも、そういうわけにはいかない。
本当に蓮斗のためなの。
最初はショックでもしかしたら私のことを恨むかもしれないけど、時間が経てば私がなぜこうしたか分かるはず。そうすれば蓮斗も心が晴れて新しい人を見つけて、輝かしい生活が出来るから。
「私、明日から学校なんだけど入試準備で朝行くの早いから今日は泊まれない。」
「え、やだ」
後ろから抱きしめてくる蓮斗。
力が少しずつ強くなってくる。
「3週間後会おうね、蓮斗こっち向いて」
「なに?」「チュッ」
私からする深くて甘いキス。
「それじゃ、バイバイ!」
私は蓮斗のマンションから出た。
溢れる涙を抑えながら。
「はいよー」
インターホンから聞こえる蓮斗の声。
これで、蓮斗の家に行くのも最後だろう。
「意外と遅かったね」
「年度末は忙しくてね」
「大変だね、俺は1-5の奴らと遊んでた」
「おぉ!碧海くん以外の子と遊ぶの初めてじゃない?」
「そんなわけないだろ、俺だって一応学年委員長やってたんだし、クラスを超えていろんな人と連絡取ってるよ、咲良が来れない時遊んだこともある」
「そうなんだ」
「なに寂しいの?」
「ううん、そんなことない、高校生のうちにやりたいこと全部やっちゃいなよ!」
「俺は咲良と一緒にいれればそれでいいの」
「そんなこと言わないの〜」
「だって本当のこと」
その私を見るときの真っ直ぐな黒い目。
キリッとしててその目で私は付き合うことを決めた。
そして、私はもう1度確信した。
蓮斗と私は離れていいんだって。
嫌いになったとかじゃなく、蓮斗のこれからの輝かしい時間を私以外に割いてくれることを信じることができる。蓮斗を愛しているからこそそう思うようになった。
「蓮斗、私ハンバーグ作るね〜」
「お、俺の大好物」
野菜を切って、お肉を捏ねて、混ぜて、焼いてソースをかけて食べる。
一緒に作るとより美味しく感じる。
「お皿は俺が片付けるから」
「私もやる」
「いいの、明日から入試で大変でしょ?」
「まぁね、入試終わったら出張に行かないといけないから」
「は?じゃずっと会えないの?」
「うん、会えないね」
ごめん、出張ってのはウソ。転任する高校に行って挨拶とかしなきゃいけない、それに引っ越しもあるし、蓮斗は私の家に来れない。
「めっちゃ寂しい、じゃいつ会える?」
「3月22日に離任式があるからそこでかな?」
「あと3週間か…長いな」
「毎日電話したりメールすればいいじゃん」
「そうだな、でも俺も春の大会とかあるし忙しいかも俺も」
「頑張って!」
「咲良が会場にいると思って頑張るから、本当は来て欲しいんだけどな〜」
「ごめん、行けない」
「じゃ、この後のお風呂は一緒に入ろう?3週間も会えないんだし」
「一緒に入るの慣れないんだよね」
「毎日一緒入れば慣れるから、回数を重ねると慣れるよ」
「まず今日だけね、一緒入ろう」
お風呂に入って、お互いにドライヤーで髪を乾かす。
「◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯」
「え?」
「だーかーらー、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯」
ドライヤーのスイッチを切る。
「なんて言ってるか分かんない!」
「耳遠いんだね〜、でももう言わない、はずかしいから//」
本当に顔がもっと火照っているように見える。
「私に恥ずかしいことをたくさんさせたくせに!」
「それはいいじゃん、俺彼氏なんだから」
こういうたわいもない時間は自然と笑顔になる。
蓮斗と一緒にいれば幸せだし、例え喧嘩があっても2人の愛情で解決できる自信あるし、ずっと蓮斗の手を握っていられる。
でも、そういうわけにはいかない。
本当に蓮斗のためなの。
最初はショックでもしかしたら私のことを恨むかもしれないけど、時間が経てば私がなぜこうしたか分かるはず。そうすれば蓮斗も心が晴れて新しい人を見つけて、輝かしい生活が出来るから。
「私、明日から学校なんだけど入試準備で朝行くの早いから今日は泊まれない。」
「え、やだ」
後ろから抱きしめてくる蓮斗。
力が少しずつ強くなってくる。
「3週間後会おうね、蓮斗こっち向いて」
「なに?」「チュッ」
私からする深くて甘いキス。
「それじゃ、バイバイ!」
私は蓮斗のマンションから出た。
溢れる涙を抑えながら。