Bitter Sweet
-いらっしゃ〜い!
「おぉ、咲良ちゃん!」
「今日は学校の先生方と来ました」
「おぉ、みんな若いのう〜、個席開けておいたから4人なら十分入れるはずだ、ほい、どうぞ」
お茶とお絞りが配られて、メニューを渡され、1人1人食べたいものを注文する。
もうすでに空気が重い。
市川:「俺と咲良が異動か〜、しかも咲良の異動先遠すぎね?」
木崎:「そうなんだよね、遠い、今引っ越しの準備で大変。」
尾川先生と絵梨花がずっと黙っている。この2人には分かっているんだろう、私の転任は偶然ではなくて必然だということに。
尾川:「市川先生は気付いてた?」
市川:「なににですか?」
羽柴:「咲良が1年5組の蓬莱蓮斗と付き合っていることを」
市川:「え、まじで?……彼氏いることは知ってますけど」
羽柴:「去年の6月頃から付き合ってたの」
市川:「もしかして、蓮斗のために転任して恋愛を続けるつもりか?今まで見てきた生徒のことを考えないでそんな判断したのか?」
木崎:「違う」
市川:「違うってなにが?」
木崎:「蓮斗と別れて私も転任するの」
尾川:「ほんとか!?」
羽柴:「どっちも諦めたの!?」
市川:「まじかよ……」
「絵梨花には蓮斗との交際を言って、尾川先生には体育祭の打ち上げでばれて、夏来にはずっと言ってなかった、ごめんね」
市川:「生徒との恋だからしょうがないだろ」
「恋っていろんな恋があるんだよね、蓮斗と付き合ってよりそう思うようになって、お互い好きでも2人を1人1人の人生だと考えた時に、別れた方がお互いの未来が明るくなってもっと広い世界が見れる場合があるの。それで別れる場合がある。私と蓮斗はその場合なの。私が学校を離れないで別れただけだったら、毎日顔を合わせるんだから辛いよ、だから記憶を消せとまでは言わないし、寧ろ私は蓮斗と過ごしてきたこの半年間を忘れないで前に進んでいきたい。蓮斗にも最初は辛いと思うけど、やりたいことやいろんなことを経験してほしい。そう思った上での決断なの、3人には詳しく話さないといけないと思ったの」
ちょうどお寿司が来た。でもみんなは食べようとしない。ずっとなにかを考えてる顔をしている。
尾川:「前に進むための決断、生徒との恋は紆余曲折あるから、俺は木崎先生のなんでも相談役になるよ、今まで蓮斗と付き合ってても2人でいる時でも教師になってしまって辛かったんだろう、教師は第二の保護者みたいなもので生徒の将来を支えてあげなくてはいけない。だからこそ教師と生徒との恋は難しい、教師としての思いを捨てることができないから」
さすが経験者。私の気持ちをよく分かってる。
市川:「俺は高校生の時咲良を捨てた、好きな女がいたから、でも咲良は蓮斗を捨てていない、これは蓮斗を育てているんだな、咲良は高校生の時からなにもかもはっきり決めるからな、咲良らしいよ」
尾川:「お前、咲良を振ったのか?付き合っていたことは羽柴先生から聞いていたけど」
市川:「そうです、高校卒業の時くらいに振りました」
尾川:「そりゃ咲良ちゃん傷つくわ」
木崎:「実際傷つきましたよ」笑
市川:「すいません」
羽柴:「私は咲良を支えるだけ、悲しい咲良も泣いてる咲良も見たくないの、だから距離は離れてしまうけど、ずっと咲良を支える」
木崎:「絵梨花、ありがとう…そして夏来も尾川先生も」
尾川:「なんか俺だけ先生って暑苦しいから、この4人といる時だけ、湊って呼んでくんない?」
羽柴:「いいけど、結構年上だよね、30歳なった?」
尾川:「今年29歳!」
市川:「そうなんだ、じゃ、4人の中では呼び捨て&タメ口で!」
尾川:「タメ口…呼び捨てするのに敬語おかしいもんな、4人の時だけだぞ?」
羽柴:木崎:市川:「分かりました〜」
木崎:「あと、お願いが一つあるんだけど」
羽柴:「咲良の転任先を蓮斗に言わない」
尾川:「そうだな、2人のためだもんな」
市川:「咲良と俺はこの学校から離れますけど、たまに4人で会いましょう!」
尾川:「もちろん」羽柴:「当たり前でしょ!」木崎:「うん、いくね!」
その後、4人はお寿司12人前も頼み生ジョッキーで飲みまくった。そして尾川先生の禁断の恋のお話も、とても楽しかった。こうやって仕事外でも仲良くできる人たちがいて、本当に充実した今年度だった。
「おぉ、咲良ちゃん!」
「今日は学校の先生方と来ました」
「おぉ、みんな若いのう〜、個席開けておいたから4人なら十分入れるはずだ、ほい、どうぞ」
お茶とお絞りが配られて、メニューを渡され、1人1人食べたいものを注文する。
もうすでに空気が重い。
市川:「俺と咲良が異動か〜、しかも咲良の異動先遠すぎね?」
木崎:「そうなんだよね、遠い、今引っ越しの準備で大変。」
尾川先生と絵梨花がずっと黙っている。この2人には分かっているんだろう、私の転任は偶然ではなくて必然だということに。
尾川:「市川先生は気付いてた?」
市川:「なににですか?」
羽柴:「咲良が1年5組の蓬莱蓮斗と付き合っていることを」
市川:「え、まじで?……彼氏いることは知ってますけど」
羽柴:「去年の6月頃から付き合ってたの」
市川:「もしかして、蓮斗のために転任して恋愛を続けるつもりか?今まで見てきた生徒のことを考えないでそんな判断したのか?」
木崎:「違う」
市川:「違うってなにが?」
木崎:「蓮斗と別れて私も転任するの」
尾川:「ほんとか!?」
羽柴:「どっちも諦めたの!?」
市川:「まじかよ……」
「絵梨花には蓮斗との交際を言って、尾川先生には体育祭の打ち上げでばれて、夏来にはずっと言ってなかった、ごめんね」
市川:「生徒との恋だからしょうがないだろ」
「恋っていろんな恋があるんだよね、蓮斗と付き合ってよりそう思うようになって、お互い好きでも2人を1人1人の人生だと考えた時に、別れた方がお互いの未来が明るくなってもっと広い世界が見れる場合があるの。それで別れる場合がある。私と蓮斗はその場合なの。私が学校を離れないで別れただけだったら、毎日顔を合わせるんだから辛いよ、だから記憶を消せとまでは言わないし、寧ろ私は蓮斗と過ごしてきたこの半年間を忘れないで前に進んでいきたい。蓮斗にも最初は辛いと思うけど、やりたいことやいろんなことを経験してほしい。そう思った上での決断なの、3人には詳しく話さないといけないと思ったの」
ちょうどお寿司が来た。でもみんなは食べようとしない。ずっとなにかを考えてる顔をしている。
尾川:「前に進むための決断、生徒との恋は紆余曲折あるから、俺は木崎先生のなんでも相談役になるよ、今まで蓮斗と付き合ってても2人でいる時でも教師になってしまって辛かったんだろう、教師は第二の保護者みたいなもので生徒の将来を支えてあげなくてはいけない。だからこそ教師と生徒との恋は難しい、教師としての思いを捨てることができないから」
さすが経験者。私の気持ちをよく分かってる。
市川:「俺は高校生の時咲良を捨てた、好きな女がいたから、でも咲良は蓮斗を捨てていない、これは蓮斗を育てているんだな、咲良は高校生の時からなにもかもはっきり決めるからな、咲良らしいよ」
尾川:「お前、咲良を振ったのか?付き合っていたことは羽柴先生から聞いていたけど」
市川:「そうです、高校卒業の時くらいに振りました」
尾川:「そりゃ咲良ちゃん傷つくわ」
木崎:「実際傷つきましたよ」笑
市川:「すいません」
羽柴:「私は咲良を支えるだけ、悲しい咲良も泣いてる咲良も見たくないの、だから距離は離れてしまうけど、ずっと咲良を支える」
木崎:「絵梨花、ありがとう…そして夏来も尾川先生も」
尾川:「なんか俺だけ先生って暑苦しいから、この4人といる時だけ、湊って呼んでくんない?」
羽柴:「いいけど、結構年上だよね、30歳なった?」
尾川:「今年29歳!」
市川:「そうなんだ、じゃ、4人の中では呼び捨て&タメ口で!」
尾川:「タメ口…呼び捨てするのに敬語おかしいもんな、4人の時だけだぞ?」
羽柴:木崎:市川:「分かりました〜」
木崎:「あと、お願いが一つあるんだけど」
羽柴:「咲良の転任先を蓮斗に言わない」
尾川:「そうだな、2人のためだもんな」
市川:「咲良と俺はこの学校から離れますけど、たまに4人で会いましょう!」
尾川:「もちろん」羽柴:「当たり前でしょ!」木崎:「うん、いくね!」
その後、4人はお寿司12人前も頼み生ジョッキーで飲みまくった。そして尾川先生の禁断の恋のお話も、とても楽しかった。こうやって仕事外でも仲良くできる人たちがいて、本当に充実した今年度だった。