Bitter Sweet
「大丈夫じゃねえなお前」
「うん、大丈夫じゃない。」
咲良が消えて3日、俺はずっとベッドにいる。
なにもやる気が出ない。
頭をリセットしてすぐ前を向けるようなそんな潔い人間ではない。
碧海が暇だから行くと言われ、咲良の手紙を読んでもらった。
「これからどうすんの」
「なんも考えてない」
「考えられる状態じゃないだろうな、でも忘れてまた新しい恋愛を…ってわけにもいかないだろうな。」
「はぁ……」
「蓮斗、ため息何度目だ?こんなにため息しているの初めて見たんだけど」
「そりゃそうだろう、16年生きて1番ショックな出来事だ」
「それは盛りすぎだろ」
「でもそれぐらいのショックなわけ、俺にとっては」
「そうだな、お前が手紙をくしゃくしゃにしたから読めないところもあったけど、木崎は蓮斗の彼女としてだけでは蓮斗を見れなかったんだと思う。」
「どういうこと」
「なんて言えばいいんだろう、仕事場とプライベートでも彼氏を見ていると、分かんなくなるんだと思う時があるんだよ、このまま付き合っていいのか、好きなんだけど別れた方がお互いにとっていいんじゃないかって思っちゃうんだよ、まして木崎は教師だろ?プライベートでも生徒として見てしまっていた時があったんだと思う。それで生徒としてお前のことを考えたんだ、それで考えて木崎がベストとして出した答えがこれ」
碧海の言いたいことはなんとなく分かった。
好きになってはいけない人なんていない。
その考えは変わらない。
でも、好きでも付き合えない時もある。
恋とは真っ直ぐ行かないものなんだな。
「俺は木崎の気持ちが分かる気がする。」
「なんで?」
「誰にも喋ってなかったけど、俺、実は五十嵐 麻衣(いがらし まい) と付き合ってたんだよ」
「五十嵐 麻衣って……まさかモデルの?」
「そう」
「まじで……?」
「俺のお姉ちゃんとその五十嵐麻衣が知り合いだったんだよ。それである日家に連れて来て、そこから親しくなって可愛いし礼儀正しいしいいな〜と思って俺が告白してOKされて付き合ったんだよ」
「付き合ってたってことは別れたのか?」
「麻衣、人気じゃん、毎月表紙は飾ってるし、CMでもよく見るし、だからか、麻衣と一緒にいてよく笑うし楽しかったけど、麻衣からしたらバレちゃいけない交際だから、あまり会えなかったし、仕事も多いし大学も行ってるからそこから変な噂が立ったことも合って、未成年男子と交際かみたいな、事務所には誤魔化したって、俺が18歳なったら本当のことを事務所に言うとか言ってたけど、俺はそれから一気に苦しくて、麻衣といても俺を出せなくて、もう別れた方が麻衣と俺のためだと思って別れたんだよ。だから俺と木崎がした判断は一緒だな。考え方も。」
「そうだったのか。」
「今まで黙ってごめんな、なにせ相手が芸能人だから尚更な…」
「いいよ、これからも誰にも言わねえから」
「ありがとう、でもお前は木崎がめっちゃ好きなのは言わなくても分かる。忘れろとは言わない。でも木崎の気持ちを理解してやって、木崎が求めてるのはそれとお前に楽しく過ごしてほしい、それだけだ。」
「分かった、咲良の気持ちはなんとか理解するよ。」
「後はお前の自由にしろ。どう将来を持っていくかはお前が決めることだ。」
「分かった、碧海ありがとな、てことでもう一つ頼みがある、家掃除して、3日間咲良のことで考えすぎてなんもしてない」
「ったくなんだよ、まぁしょうがないな、その後飯奢れよ」
「分かったたくさん奢ってやる。」