Bitter Sweet
俺の答えを出すまで-蓮斗side-
春、俺は登校した。
木崎咲良がいない高校に。
春休みの間、ずっと考えていた。
考えても咲良が戻ってこないのは変わらない。
でも俺はこれからどうすればいいのかわからなかった。
思考回路が絡んで何もかも複雑に考えてしまう。
まだ答えは出てないまま、クラス替えの紙が貼られたところに行く。
そしたら、2-3、碧海の名前がない。
碧海は、2-5だった。
小学校から1度もクラスを離れたことがないのにここで離れるなんて運の尽きだと思いながらへこたれていた。
「蓮斗〜」
「碧海、お前泣いてる?」
「泣く訳ねえだろ、でも寂しいお前がいないのが」
「俺も寂しいよ」
「俺しか木崎の話聞いてやれねえのにな」
「うっさいなー、でも事実だけど」
「昼は毎日学食で一緒に食べようぜ、たまに俺の家に来ていいし」
「行くわ」
「それじゃまた昼な」
「おう」
俺のお母さんはずっと忙しかったが、海外の契約を取り付けてからずっと海外出張に行っている。だからしばらく帰ってこれないと言われ、親父とは家はバレてしまったが一緒に暮らすとはなってない。ていうか、いまさら2人暮らしとか嫌だし。
碧海の家も複雑で、中2の時にお母さんが病気で亡くなり、その3ヶ月後にお父さんが事故で亡くなり今は家族3人で暮らしていた家に碧海1人で暮らしている。学費や生活費はお母さんのお兄さんが会社経営者でお金を持っているため、お兄さんが肩代わりしている。中学生の時にお母さんとお父さんを亡くしてからの碧海は本当に見ていられない姿だった。中2の半分はほぼ学校に来ていなかった、でも俺も説得したり碧海の家にずっと泊まり込んで碧海が少しでも寂しい思いをしないように心がけた。その結果中3からは碧海も学校に来るようになり、一緒に志望校を目指して合格して、俺はすぐに咲良に恋をして碧海に助けてもらった。本当になくてはならない存在なのに同じクラスじゃないってだけでこんなにも気分が落ち込むとはな…
俺も友達は多い方だと思う、いくら碧海と離れてもぼっちにはならない。でも碧海は友達以上の存在だ。
「もう最悪だ…」
そうぼやきながら2-5の教室に入る。
「なに朝から縁起でもねえこと言ってんだよ、天下の王子様」
「そのあだ名いつまで続くんだよ、もう俺やだって何百回も言ったよな」
「やだって部活ん時だけ言ってもみんなに伝わらないだろ、学校放送で言っちゃえば、俺は天下の王子様なんかじゃないんだ!って」
「恒星(こうせい)、もういいや」
「じゃ認めるんだな」
「認めないけど、好きにしてくれ、でもせめて俺の周りにいる奴らは呼ばないで」
「ったく顔がいいし頭いいしスポーツも出来る完璧だから呼ばれるんだよ、その自覚を持て!」
「うーん、そっか、自覚だけしとくわ、てか天下の王子様って言うなら天下の女王様とかいねーの?いてもそいつとくっつくとかはないけど」
「あー噂になってる奴はいる」
「誰?」
「五十嵐 結衣(いがらし ゆい) モデルの五十嵐 麻衣の妹」
野沢 七海が間に入り込んでくる。
「また一緒か、蓮斗、よろしくね」
「腐れ縁だな」
「そうね」
「五十嵐 麻衣ってめっちゃ可愛いあのモデルか?」
「そうだよ」
「いや待て待て待て、恒星と野沢なんでそんな親しいんだよ?」
「同じ塾仲間」
「そうなのか」
てか、問題はそこじゃない。五十嵐 結衣が入ってくるってことは碧海の元カノの妹と同じ学校ってことか、でも碧海は五十嵐 麻衣にはもう未練がないと言ってたし、本人が入学する訳ではないから、碧海はあまり気にしないだろう。
新任式。
10名の先生方が転任してきた。
若い先生や年老いた先生までいろんな先生方が入ってくる。
始業式では長すぎる俺の親父の話を右から左へと流し、担任発表がされる。
俺は正直誰でもよかった。
俺にとっての1番の教師、そして彼女は木崎咲良しかいない。
2-3は羽柴 絵梨花先生、副担任は三谷 大貴(みたに たいき)先生です。
よりによって羽柴が担任か。
嫌じゃないけど羽柴を見ると咲良を思い出してしまう。
ここで1つの矛盾が生じる。
俺は咲良のことを忘れられない、諦めてるかと言えばノーだし、諦められるかと言われればそれもノーだ。じゃ、ずっと咲良を諦めないでずっと思い続けるのか?それも俺の中だけで時間が止まるだけだ。俺どうすればいい。離任式の日からその矛盾が直らない。永遠にリピートされていく。
もう俺どうすればいいか分からなくなった。
「蓮斗の顔死んでるぞ」
「は?」
「なにぼーっとしてんだよ、みんながキャーキャーお前見て騒いでるんだからそれ応えてかっこいい顔しろよ〜」
「なんで俺がカレー食ってるだけでこんなに騒ぐんだよ〜」
「お前の元の顔がいいからどんな顔でもかっこいいんだよ」
「碧海から言われると気持ち悪いな」
「それひどくね?」
「あーわりぃ、てか、俺よりお前大丈夫か?」
「なにが?」
「知らないのか?五十嵐麻衣のいもう…」
「あー知ってる、もう噂立ってるもんな、俺は気にしない、妹だし、俺にとっては過去だから」
「そうやって割り切れるお前が羨ましいよ」
碧海はずっと俺を見る、俺から何を読み取ってるかのように。
「いつでもなんでも聞くから、恋に答えはないぞ、自分がこれだと思ったのが答えだ」
碧海は恋愛マスターなのか?
恋愛に関して的確な言葉を言ってくれる。
俺にとって碧海の言葉は名言。
ゆっくりでもいいから俺なりの答えを出そう。
木崎咲良がいない高校に。
春休みの間、ずっと考えていた。
考えても咲良が戻ってこないのは変わらない。
でも俺はこれからどうすればいいのかわからなかった。
思考回路が絡んで何もかも複雑に考えてしまう。
まだ答えは出てないまま、クラス替えの紙が貼られたところに行く。
そしたら、2-3、碧海の名前がない。
碧海は、2-5だった。
小学校から1度もクラスを離れたことがないのにここで離れるなんて運の尽きだと思いながらへこたれていた。
「蓮斗〜」
「碧海、お前泣いてる?」
「泣く訳ねえだろ、でも寂しいお前がいないのが」
「俺も寂しいよ」
「俺しか木崎の話聞いてやれねえのにな」
「うっさいなー、でも事実だけど」
「昼は毎日学食で一緒に食べようぜ、たまに俺の家に来ていいし」
「行くわ」
「それじゃまた昼な」
「おう」
俺のお母さんはずっと忙しかったが、海外の契約を取り付けてからずっと海外出張に行っている。だからしばらく帰ってこれないと言われ、親父とは家はバレてしまったが一緒に暮らすとはなってない。ていうか、いまさら2人暮らしとか嫌だし。
碧海の家も複雑で、中2の時にお母さんが病気で亡くなり、その3ヶ月後にお父さんが事故で亡くなり今は家族3人で暮らしていた家に碧海1人で暮らしている。学費や生活費はお母さんのお兄さんが会社経営者でお金を持っているため、お兄さんが肩代わりしている。中学生の時にお母さんとお父さんを亡くしてからの碧海は本当に見ていられない姿だった。中2の半分はほぼ学校に来ていなかった、でも俺も説得したり碧海の家にずっと泊まり込んで碧海が少しでも寂しい思いをしないように心がけた。その結果中3からは碧海も学校に来るようになり、一緒に志望校を目指して合格して、俺はすぐに咲良に恋をして碧海に助けてもらった。本当になくてはならない存在なのに同じクラスじゃないってだけでこんなにも気分が落ち込むとはな…
俺も友達は多い方だと思う、いくら碧海と離れてもぼっちにはならない。でも碧海は友達以上の存在だ。
「もう最悪だ…」
そうぼやきながら2-5の教室に入る。
「なに朝から縁起でもねえこと言ってんだよ、天下の王子様」
「そのあだ名いつまで続くんだよ、もう俺やだって何百回も言ったよな」
「やだって部活ん時だけ言ってもみんなに伝わらないだろ、学校放送で言っちゃえば、俺は天下の王子様なんかじゃないんだ!って」
「恒星(こうせい)、もういいや」
「じゃ認めるんだな」
「認めないけど、好きにしてくれ、でもせめて俺の周りにいる奴らは呼ばないで」
「ったく顔がいいし頭いいしスポーツも出来る完璧だから呼ばれるんだよ、その自覚を持て!」
「うーん、そっか、自覚だけしとくわ、てか天下の王子様って言うなら天下の女王様とかいねーの?いてもそいつとくっつくとかはないけど」
「あー噂になってる奴はいる」
「誰?」
「五十嵐 結衣(いがらし ゆい) モデルの五十嵐 麻衣の妹」
野沢 七海が間に入り込んでくる。
「また一緒か、蓮斗、よろしくね」
「腐れ縁だな」
「そうね」
「五十嵐 麻衣ってめっちゃ可愛いあのモデルか?」
「そうだよ」
「いや待て待て待て、恒星と野沢なんでそんな親しいんだよ?」
「同じ塾仲間」
「そうなのか」
てか、問題はそこじゃない。五十嵐 結衣が入ってくるってことは碧海の元カノの妹と同じ学校ってことか、でも碧海は五十嵐 麻衣にはもう未練がないと言ってたし、本人が入学する訳ではないから、碧海はあまり気にしないだろう。
新任式。
10名の先生方が転任してきた。
若い先生や年老いた先生までいろんな先生方が入ってくる。
始業式では長すぎる俺の親父の話を右から左へと流し、担任発表がされる。
俺は正直誰でもよかった。
俺にとっての1番の教師、そして彼女は木崎咲良しかいない。
2-3は羽柴 絵梨花先生、副担任は三谷 大貴(みたに たいき)先生です。
よりによって羽柴が担任か。
嫌じゃないけど羽柴を見ると咲良を思い出してしまう。
ここで1つの矛盾が生じる。
俺は咲良のことを忘れられない、諦めてるかと言えばノーだし、諦められるかと言われればそれもノーだ。じゃ、ずっと咲良を諦めないでずっと思い続けるのか?それも俺の中だけで時間が止まるだけだ。俺どうすればいい。離任式の日からその矛盾が直らない。永遠にリピートされていく。
もう俺どうすればいいか分からなくなった。
「蓮斗の顔死んでるぞ」
「は?」
「なにぼーっとしてんだよ、みんながキャーキャーお前見て騒いでるんだからそれ応えてかっこいい顔しろよ〜」
「なんで俺がカレー食ってるだけでこんなに騒ぐんだよ〜」
「お前の元の顔がいいからどんな顔でもかっこいいんだよ」
「碧海から言われると気持ち悪いな」
「それひどくね?」
「あーわりぃ、てか、俺よりお前大丈夫か?」
「なにが?」
「知らないのか?五十嵐麻衣のいもう…」
「あー知ってる、もう噂立ってるもんな、俺は気にしない、妹だし、俺にとっては過去だから」
「そうやって割り切れるお前が羨ましいよ」
碧海はずっと俺を見る、俺から何を読み取ってるかのように。
「いつでもなんでも聞くから、恋に答えはないぞ、自分がこれだと思ったのが答えだ」
碧海は恋愛マスターなのか?
恋愛に関して的確な言葉を言ってくれる。
俺にとって碧海の言葉は名言。
ゆっくりでもいいから俺なりの答えを出そう。