Bitter Sweet
「うぅ、痛い…」


デスクに頭を思いっきりぶつけてしまった。


原因は眠いから。


受験生を持つクラスはこんなにも大変なのか。


毎日補習して、推薦の生徒の担当してクラスの調査書や推薦文を書いて、あっという間に夜21:00過ぎになってすぐ家に帰ってそのままバタンと倒れ寝落ちする。


そんな日々を送ってる。ずっとお酒も飲んでないし居酒屋にも行ってない。最近絵梨花はなにしてるのかな…十坂先生には聞いたことないし、ずっと順調ならそれでいいけど。


「疲れた…」


ついに出た本音。


「これ俺がやりますよ」


十坂先生が隣のデスクから覗き込んでくる。


「いや、私がしないといけないんで。」


「大丈夫です、これは担任じゃなくてもできる業務なんで木崎先生はお休みになってください。明日も補習はありますし」


私の了承を得ずに十坂先生は私のデスクから資料を取って仕事を始めた。


申し訳ないけど、頭痛くなって来た。


明日は土曜日なのに日曜日以外は補習があるから明日も出勤しなければいけない。


教師も大変だが生徒は将来を決める大事な時期。


私がへこたれるわけにはいかない。


ここは家で休んで安静を取ろう。


「十坂先生、私先に帰ります、すいません」


「大丈夫です、お大事に」


話すと暖かくて優しい感じ、子供も十坂先生からの愛情を受けているんだろうなと想像がつく。


それよりも家に頭痛薬はあるから、夜食べるものはコンビニで買って早く帰ろう。


部屋着に着替えてお風呂を入る気力がなく簡単に食べて薬を飲んでそのまま寝落ちした。
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