Bitter Sweet
朝、起きても体が重い。


一応熱を測る。


38、2°…


熱あるし風邪かな…


こんな状態で学校には行けない。


休みの連絡を入れて病院に行って風邪薬を処方してもらう。


無理しすぎたのかも…


今日と明日はずっと寝ておこう。


あぁ…本当に頭が痛い。


目眩もするし、こんなに体調悪いのいつぶりだろう…


ベッドに横になる。


目を瞑っても眠れない。


もう3ヶ月で卒業式。


「来るのかな蓮斗……」


小さくそう呟く。


ずっと忘れられなかったわけではない。


この2年間、教師として大変だったし分かんないことだらけで精一杯だった。


それでもたまに思い出す。


蓮斗も受験生だし、建築学科に行くのかな〜


相変わらずモテてるだろうな〜


とか変なこといつの間にか考えてる。


そう言えば私が24歳誕生日の時にアルバム貰ったけど、途中まで見て蓮斗に止められたんだった。


今なら見てもいいよね。


白い本棚にあるアルバム。


久しぶりに取り出して最初から見る。


私に内緒で撮ったからほぼ盗撮の写真が載ってる。


事故画は……載ってない。


そこは蓮斗が選んでくれたんだろう。


盗撮の割に意外といい写真が撮れてる。


盗撮を認めている訳じゃないけど。


蓮斗と付き合った半年間を思い出しながらページをめくる。


そして最後のページ。ここが蓮斗から読むの止められたページ。


2年前の夏に海で撮ったツーショット。


その下に蓮斗のメッセージ。


「俺は正直照れ屋だし、恥ずかしがり屋な部分もある。でも咲良ちゃんの前ではガキに見えるかもしれないけど、早く立派な1人の男になれるように頑張るから、大好きだよ」


短いけど、私への思いが全て詰まっている文章だった。


蓮斗が高1の時、顔はもうあの時から整っていて高1に見えなかった。中身も行動も子供じみた感じはなかった。あの時からもう2年が経とうとしてる。


もう大人っぽくなったよね。


蓮斗に会いたい。


蓮斗のことを考えたら顔が茹でダコになって熱がもっと上がりそう。


冷えピタを貼って寝よう。
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